ツルです。

音楽は洋服か?

「普段どんな音楽聴くの?」と聞かれた時、困ってしまうことが多い。

なぜなら、この質問での「音楽」は、相手の人間性や性格を推し量るものさしとして使われることが多いからだ。

私は、邦楽も洋楽もロックもアイドルも演歌も昭和歌謡もピアノも吹奏楽もラップも、とにかく世代やジャンル関係なくいろんな音楽が好きだ。

だから、好きな音楽を聞かれたときにどれを代表して答えれば良いのか戸惑ってしまう。そして、悩んだ挙句いくつか挙げてみると「幅広いんだねえ〜」なんて言われてしまう。

私の中では、くるりフジファブリックが好きな気持ち、RADWIMPSBUMP OF CHICKENが好きな気持ち、AKB48TOKIOが好きな気持ち、浜田省吾ORIGINAL LOVEが好きな気持ち‥‥

挙げだしたらきりがないが、それらすべて一見バラバラに見えて一本の線で繋がっているのだけど。

確かに、好きな音楽はその人のファッションや人柄を分かりやすく表している場合が多い。偏見かもしれないけれど、キラキラした女子高生が「miwaや大原櫻子が好き」と言っていればそうだよねと思うし、マッシュで古着好きの大学生が邦ロックを愛でていたら、わかるわかると頷ける。

でもそんな中、たとえば森進一と嵐が好きな気持ちに優劣をつけられない人がいたとしたらどうだろう。「森進一と答えたら変に古風な印象を持たれるかな」「嵐と答えたら過激なファンだと思われるかな」なんていちいち気にしなきゃいけないのは、窮屈だ。

音楽は洋服じゃない。おしゃれに見られたいからって、好きでもないのに無理やりSuchmosをきく、なんて滑稽だし疲れちゃう。

こないだ「学生は 、J POPとか日本をダメにするタイプの音楽が好きだよね。もっとトガった良い音楽をきけよ」なんて言っちゃってる人がいて、つまんないなあと思ってしまった。

どんな意図で、どんな形で生産されたとしても、その音楽が誰かの心の奥にある「好き」にひっかかったのなら、それでいいじゃないか。そのときの感動は誰にも否定できないはずだ。あなたが好きな音楽も、私が好きな音楽も、全部素晴らしくて、誇らしいのだ。