凍蠅よ。
『凍蠅よ 生産性の 我にあるや』
あるバラエティ番組でみかけた句である。
結露した窓ガラスにジッと固まった状態ではりつくハエを眺めながら「私に“生産性”はあるのだろうか?」と自問自答する、という情景をあらわしているらしい。
例の発言のことを単純に批判するのではなく、「自分はどうなんだ?」と自らを見つめる光景だけをシンプルに表現しているのが良い。
私たちは他人事になりがちで、自分自身に他人を排除するような思考がありはしないか、自分を疑うことをつい怠けてしまう。
ピッタリと窓にはりつくハエをみて「お前そんなんで生産性あるのかよ!」と揶揄した瞬間、全く同じ問いを自分自身に向けられる人でなければならないと思う。